
ミシュランに輝く祇園にしかわ
祇園さんと呼ばれる「八坂神社」へと続く下河原通を歩き、
路地の奥にひっそりと佇む懐石料理の店「祇園 にしかわ」さん。
店主の西川正芳さんは、祇園の名店「祇園 さゝ木」さんで
長く修行された後に独立され、2009年1月22日にオープン。
独立わずか1年でミシュランを獲得し、2つ星の栄誉を讃えられています♪
格式高い和の趣を感じられる店内
店内は、店主である西川正芳さんの小気味好いトークと共に
手捌きも楽しめる12席ほどの一枚板のカウンター席と、
8席部屋と10席部屋のテーブル席、6席ほどの堀炬燵式の座敷が用意されており、
全て禁煙となっております。
(※カウンター付近に喫煙部屋を設けられています)
事前に予約してくれた名古屋の友人のおかげで、嬉しいことにカウンター席でいただけます。
店主の西川正芳さん
お造りの準備をされる西川さん。
カウンター席での最大の楽しみでもある、店主の手捌きをじっくりと堪能。
奥には、大きなおくどさん(釜戸)が観られ、厨房の火元には湯気が舞うように踊っています。
薪で炊き上げる〆の炊きたてご飯が楽しみですね♪
「椀物」
プリップリの弾力が楽しめるよう、
すり身にしたものと小口にカットした車海老の入った海老しんじょは、
噛めば噛む程に甘味が増し、
とぅるんとぅるんの蓴菜とほっこりと炊かれた冬瓜に合わせます。
酢橘の香りが心地好く、海老のお出汁と鰹のお出汁でふくよかな味わいが広がる優しい椀物です♪
「お造り」
最初に感じるピリッと張り詰めた高級料理店ならではの空気感も良いのですが、
やはり、カウンター席のお客様と店主の小気味好いテンポの会話が生まれるのも、
またカウンター席の醍醐味。
料理が美味しければ美味しいほど、人は顔がほころび、口元が緩くなるものです。
お造りのイカに施す細かい隠し包丁をされながらも、手元を観るのではなく、
お客様の目を観ての会話なんて、まさに神業です!
キラキラと輝き張りがあり甘味溢れるヤリイカ、
明石のタコはまだ生きており、噛むとグッと身が締まり食感が楽しめ、
脂ののった縞鯵、フレッシュでプチプチ食感の海ぶどうと、
すべて酢橘とお造り醤油をお好みで合わせていただきます♪
「焼鱧」
シャッシャッシャッシャッと一定のリズムに乗ってされる鱧の骨切りの音が耳に心地好く響き、
料理が目の前に運びこまれるまでのその工程を眺めながら、
視覚、聴覚、嗅覚が研ぎ澄まされます。
そして、出てきた焼鱧。
皮目だけをしっかりと焼き、香ばしさを引き立たせ、中は完全にレア状態で仕上げています。
鱧にいろいろ試されたそうですが、やはり梅肉が一番美味しいと再認識されたそうで、
原点に還りこちらを出してくださいました。
「梅肉にお粥さんを合わせてまろやかにしています」とおっしゃる西川さん。
「お粥さん」と”さん”付けされるのが、まさに京都で、良い響きですね。
触覚と味覚が加わり、五感すべてで夏の涼を楽しみます♪
「春慶の京団扇盆」
甘鯛(グジ)の若狭焼きはしっとりととろける食感を楽しみ、
鱗は別で唐揚げにし、サクサク食感を楽しみます。
甘味あるとうもろこしのかき揚げに、
こちらの看板メニューでもある鯖寿司、
実山椒が爽やかな刺激を与える鱧寿司、鱧の塩漬けにしたものに素麺南瓜を合わせ、
大阪の渡り蟹をうちこのジュレと共にさっぱりと、焼き茄子には胡麻と合わせたずんだ味噌で、
添えられた飾りシノワは、無病息災、暑い夏を越すためのお祓い行事の意味を込めておりますが、
食べる際には外させていただきます。
春慶の京団扇盆の敷葉には、昔、紙の少ない時代に紙代わりに使われていた柏葉を用いて、
赤と緑のコントラストが色鮮やかで美しい団扇盆の八寸ですね♪
「賀茂茄子」
フレッシュな賀茂茄子のヘタの部分を蓋にし、
丸ごとの賀茂茄子と見まごうばかりではありますが、
実は、蓋の下は陶器を用いていらっしゃり、
この陶器も賀茂茄子の色に合うように特注されており、本物にしか見えません!
なかなか遊び心たっぷりの演出です♪
賀茂茄子と芯大根の季節ゆえに大根餅と蓮芋を用いて、野菜だけの焚き合わせ。
優しくとろける餡に本山葵を優しく溶いて、ほっこりといただきます♪
「白ご飯」
〆の釜ご飯が出て参りました。
丁寧に1人1人に炊きたての美しさを確認させてくださいます。
まずは、おくどさん(釜戸)で炊かれた滋賀県伊吹山3合目のこしひかりの白ご飯。
玄米で取り寄せ、3日分ずつ精米をお願いされるこだわりぶりです。
1377mの伊吹山3合目で、大小の山々に囲まれた自然豊かな地域で栽培されたお米で、
粒が大きく水分を含みふっくらと艶々に炊き上がっており、噛めば噛むほど甘味が広がります♪
「穴子ご飯」
2杯目のご飯は、淡路島の穴子ご飯。
贅沢にも穴子はたっぷり、温泉卵のとろみでまろやかにし、木の芽の香りを楽しみます♪
土鍋の中でふっくらとしたご飯と一緒に柔らかく仕込まれた穴子、
甘辛いタレがご飯に良く馴染み、温泉卵のまろやかさで箸が進みます。
祇園にしかわ
京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町473 TEL:075-525-1776
営業時間:昼12:00~15:00(退店)、夜
定休日:日曜日、月曜日のお昼、日曜が祝日の場合は翌日
http://r.goope.jp/gion-nishikawa
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